昆布の生態について
昆布は外海に面した比較的波の荒い、水深約5〜7m付近に生育するものが多く、生育水深は潮流の強さ、水の透明度などによって異なり、噴火湾では5〜6m、津軽海峡では7〜8m、ところによっては20m近くの深さの処から採取されるものもあります。

昆布類の多くは多年生で晩夏から初秋にかけて成長します。さらに晩夏から冬にかけて放出される遊走子が、やがて昆布の幼体となって翌年夏から秋にかけて成長します。これが水昆布といわれるもので、その着生の状態で次年度の作況の目安とされます。

しかし、水昆布は夏から秋にかけて葉体の先端の古い部分が枯れて流れてしまいますが、晩秋には再び成長活動が盛んなり、古い1年生の葉体の下から新しい組織の出る「突き出し」と呼ばれる現象が見られ、やがて1年生の古い葉がすっかりと枯れ翌春には全体が2年だけの葉となり、夏には成昆布として採取されます。

2年目に採取される成昆布は、1年目のもの(水昆布)とは長さ・葉幅・厚みなどは違いますがこれは1年目のものがそのまま育つのではなく全く生え変わりのものです。

※曲線は昆布の生活リズムです。赤色部分は成熟期です。矢印は採取時期を示します。
※その他、春くきなが昆布や大あつば昆布など3年生昆布もあります。
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